パーキンソン病の方向けセルフケア(体操・ストレッチ前、体操・ストレッチ中、体操・ストレッチ後)を詳しくご紹介
パーキンソン病の方向けに、ご自宅で実践できる体操指導を行っているメディカルフィットネス にこっとです。
こちらでは、パーキンソン病の方向けにセルフケア(体操・ストレッチ前、体操・ストレッチ中、体操・ストレッチ後)と継続的なセルフケアがもたらす生活の質の向上について解説します。
まずは、パーキンソン病の症状と日常生活への影響から見ていきましょう。
パーキンソン病の症状と日常生活への影響
パーキンソン病は、脳内のドパミンが減少することで引き起こされる進行性の神経変性疾患です。ここでは、主な症状と日常生活への影響について簡単に触れていきます。
◆ パーキンソン病の主な症状
- 振戦(手足の震え)
- 筋強剛(筋肉のこわばり)
- 無動・寡動(動作が遅くなる、動く範囲が小さくなる)
- 姿勢保持障害(バランスを崩しやすくなる)
◆ 日常生活への影響
- 振戦により、周囲から気にされる
- 筋強剛のため、体の動きに固さが見られる
- 無動・寡動により、着替えや入浴に時間がかかったり、歩行や寝返りがしづらくなる
- 姿勢保持障害で転倒のリスクが高まる
また、症状の進行に伴い、以下のような二次的な問題も生じる可能性があります。
- うつ状態や不安感の増大
- 睡眠障害
- 便秘などの自律神経症状
- 認知機能の低下
これらの症状や問題は、生活の質(QOL)を大きく左右します。そのため、適切な治療とケアが重要となります。
【パーキンソン病の方向け】体操・ストレッチ前のセルフケア
◆ 体調チェック
まず、その日の体調を確認します。以下の項目をチェックしてください。
- 睡眠、食事は十分とれたか
- 体に痛みはないか
- めまいや吐き気はないか
- 薬の服用は適切に行えたか
◆ 水分補給
運動前の水分補給は欠かせません。脱水症状を防ぐため、体操開始前にコップ1杯程度の水を飲みましょう。また、喉の渇きを感じる前に水分を摂ることが重要です。運動中は手の届く範囲に飲み物を準備し、休憩ごとにこまめに水分補給を行いましょう。
◆ 環境整備
安全に運動できる環境を整えることが大切です。
- 床に滑り止めマットを敷く
- 手すりや椅子を近くに置く
- 室温を適切に調整する(20〜25℃が目安)
◆ 軽い全身運動
本格的な体操やストレッチの前に、軽い全身運動で体を温めます。
- その場での足踏み(30秒程度)
- 腕を前後に大きく振る(10回程度)
- 首や肩をゆっくり回す(各5回程度)
◆ 準備運動としての呼吸トレーニング
深い呼吸を意識することで、リラックス効果が得られると同時に、脈拍や血圧を安定させます。
- 鼻から2秒かけて吸い込む
- 口から4秒かけてゆっくり吐き出す(口をすぼめて吐くとなお良い)
※この呼吸を5回程度行う
◆ 心の準備
ポジティブな気持ちで運動に臨むことが大切です。「今日も頑張ろう!」「少しずつ良くなっている!」など、自分を励ます言葉をかけてみましょう。
これらのセルフケアを習慣化することで、より安全で効果的な体操・ストレッチを行うことができます。無理せず、自分のペースで取り組んでいきましょう。
【パーキンソン病の方向け】体操・ストレッチ中のケア
◆ 呼吸を意識する
- ゆっくりと深い呼吸を心がけます。
- 呼吸を止めずに、リラックスした状態を保ちます。
◆ 反動をつけない
- ゆっくりと筋肉を伸ばし、静止した状態を保ちます。
- 急激な動きは避け、筋肉を痛めないよう注意します。
◆ 痛みに注意する
- 痛みを感じるまで伸ばさないようにします。
- 気持ちいいと感じる程度にとどめましょう。
◆ 姿勢を正しく保つ
- 背筋を伸ばし、正しい姿勢を意識します。
- 体のバランスを崩さないよう注意しましょう。
◆ 時間を意識する
- 各ストレッチは20~30秒程度、または気持ちいいと感じるまで行います。(ストレッチを始めたばかりの方は、最初は10秒から始めてみましょう。)
- 無理に長く続けず、適度な時間で終えましょう。
◆ 体温管理に気をつける
- 体が温まっている状態でストレッチを行えると良いでしょう。
- 体が冷めすぎないよう、適度な室温を保ちましょう。
これらのポイントを意識しながら、ゆっくりと丁寧に体操やストレッチを行うことで、より安全で効果的なリハビリにつながります。自分の体調や体力に合わせて、無理のない範囲で継続的に行うことが大切です。
【パーキンソン病の方向け】体操・ストレッチ後のセルフケア
◆ クールダウン
運動直後は、ゆっくりとした動きで体を落ち着かせましょう。
- 深呼吸:ゆっくりと5回程度
- 軽いストレッチ:全身の筋肉を軽く伸ばす
◆ 水分補給
失われた水分を補充することが大切です。
- 常温の水やスポーツドリンクを少しずつ飲む
- カフェインや糖分の多い飲み物は避ける
◆ リラックスタイム
心身をリラックスさせる時間を設け、頑張った自分をほめてあげましょう。
- 静かな音楽を聴く
- 瞑想や深呼吸を行う
- 温かいお茶を飲む
◆ 体調チェック
運動後の体調変化に注意を払いましょう。
確認項目:疲労度、筋肉の張り具合、関節の動き、呼吸の状態
※運動に夢中になると、服薬のタイミングを逃してしまうこともあります。時計のアラーム機能を使うなどして、薬を飲む時間はしっかりと確保しましょう。
◆ 記録をつける
運動の内容や体調の変化を記録することで、長期的な体調管理に役立ちます。
記録する項目:バイタル(体温、血圧、脈拍※血圧計をお持ちの方は、血圧はできれば毎日測定しましょう。脈拍は手首の内側で測ることもできます)、運動の種類と時間、体調の変化、気づいたことなど
◆ 休息
適度な休息を取ることで、体を回復させましょう。
- 横になって休む
- 軽い読書やテレビ視聴など、リラックスできる活動を行う
体操やストレッチを終えた後のセルフケアは、パーキンソン病の方の健康維持に重要な役割を果たします。適切なケアを行うことで、運動の効果を最大限に引き出し、体調を整えることができます。ぜひ、意識的に実践してみてください。
継続的なセルフケアがもたらす生活の質の向上
パーキンソン病の方にとって、継続的なセルフケアは生活の質を大きく向上させる可能性があります。日々の体操やストレッチを含むセルフケアを習慣化することで、以下のような効果が期待できます。
◆ 身体機能の維持・改善
- 筋力や柔軟性の維持・向上
- バランス感覚の改善
- 姿勢不良の改善
◆ 精神面での変化
- 達成感や自信の獲得
- ストレス軽減とリラックス効果
- 前向きな気持ち
◆ 社会生活の充実
- 日常生活動作(ADL)の改善
- コミュニケーション能力の向上
- 社会参加意欲の機会増加
これらの効果は、単発的なケアではなく、継続することで徐々に現れてきます。例えば、毎日5分間のストレッチを3ヶ月間続けることで、体の硬さが和らぎ、動きやすさを実感できるかもしれません。
また、セルフケアを通じて自己管理能力が高まることで、医療従事者とのコミュニケーションも円滑になります。自分の体調の変化に気づきやすくなり、適切なタイミングで相談や治療を受けられるようになるでしょう。また、継続的な体操とセルフケアは、長期的には入院や施設入所のリスクを低減し、自宅での生活を長く維持できる可能性が高まります。セルフケアを習慣化するコツは、無理のない範囲で少しずつ始め、徐々に内容や時間を増やしていくことです。家族や友人、医療従事者のサポートを得ながら、自分に合ったペースで続けていくことが大切です。
体操・ストレッチを継続的に取り組みたい方は、ぜひメディカルフィットネス にこっとにご相談ください。
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パーキンソンのための体操とストレッチはメディカルフィットネス にこっと
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