高齢者向け認知症予防におすすめの脳トレとは?脳トレのための生活習慣もご紹介

認知症予防において、脳トレは非常に重要な役割を果たします。脳トレとは、脳の機能を活性化させるための様々な活動やエクササイズのことを指します。

脳トレを継続的に行うことで、脳の活動が活発になり、認知機能の低下を遅らせる効果が期待できます。特に高齢者にとって、日々の脳トレは非常に重要です。

メディカルフィットネスにこっとでは、認知症予防のための脳トレクラス「脳はつらつ活性化クラス」や「BB(Brain&Body)エクササイズクラス」を、毎週開催しています。

こちらでは、高齢者向けの脳トレの基本原則や、脳トレに挑戦する前の準備、脳トレの効果を最大化するための生活習慣についてお伝えします。

高齢者向け脳トレの基本原則

高齢者がクロスワードパズルを解いている様子

継続性の重要性

脳トレを効果的に行うためには、継続することが何より重要です。一時的な取り組みでは十分な効果が得られません。脳トレを習慣化し、長期的に続けることで初めて認知機能の維持・向上が期待できます。継続のポイントは、以下の3つです。

無理のない目標設定

  • 毎日10分など、達成可能な目標を立てましょう。
  • 徐々に時間や難易度を上げていくのがおすすめです。

楽しみながら取り組む

  • 好きな脳トレを選び、楽しく続けられるようにしましょう。
  • 仲間と一緒に取り組むのも効果的です。

記録をつける

カレンダーなどに実施した日をチェックしましょう。継続の励みになります。

これらの習慣と脳トレを組み合わせることで、より効果的に認知機能を維持・向上させることができます。無理せず楽しみながら、長く続けることを心がけましょう。

◆ 楽しく取り組むための工夫

脳トレを義務的に捉えると、ストレスになってしまい、継続が困難になる可能性があります。脳トレを効果的に楽しく行うための工夫として、以下のようなポイントがあります。

  • 得意な分野や興味のある題材を選ぶ(例:音楽好きならリズム系の脳トレ、言葉遊びが好きなら言語系の脳トレなど)
  • 難易度の低いものから始め、徐々にレベルアップして達成感を味わう
  • 小さな成功体験を積み重ねることで、モチベーションを維持する
  • 同じ脳トレばかりではなく、複数の種類を組み合わせる(例:計算問題、パズル、記憶ゲームなどをローテーションで行う)
  • 日常生活に取り入れる(例:買い物の際に暗算をしたり、料理中に食材の名前を英語で言ってみるなど)

脳トレを楽しむことで、自然と継続する習慣が身につき、認知症予防の効果も高まります。自分に合った方法を見つけ、無理なく楽しみながら脳トレに取り組んでいきましょう。

◆ 適度な難易度設定

脳トレを効果的に行うためには、適度な難易度設定が重要です。難しすぎると挫折してしまい、簡単すぎると脳に刺激を与えられません。そのため、以下のポイントを押さえて難易度を調整しましょう。

自分のレベルに合わせる

まずは自分の現在の能力を把握し、そこから少し難しいレベルの課題に挑戦します。例えば、計算問題なら1桁の足し算から始め、徐々に2桁、3桁と増やしていきます。

段階的に難易度を上げる

脳トレに慣れてきたら、少しずつ難易度を上げていきます。突然難しくするのではなく、ゆっくりと段階を踏んで挑戦しましょう。

多様な課題を取り入れる

同じ種類の問題ばかりでは脳が慣れてしまいます。計算、パズル、言語、運動など、様々な種類の課題を組み合わせることで、脳の異なる部位を刺激できます。

時間制限を設ける

慣れてきたら、時間制限を設けて取り組んでみましょう。時間を意識することで、集中力や処理速度の向上につながります。

達成感を味わえるレベル設定

難しすぎず、かといって簡単すぎない、ちょうど良い難易度で達成感を味わえることが大切です。これにより、継続的なモチベーション維持につながります。

適度な難易度設定により、楽しみながら効果的に脳トレを続けられます。自分に合ったレベルを見つけ、徐々にステップアップしていきましょう。

脳トレと運動の相乗効果で高齢者の認知症予防対策を強化

脳トレと運動を組み合わせることで、認知症予防の効果を高めることが期待できます。運動は脳への血流を促進し、新しい神経細胞の形成を助けるため、脳トレの効果を相乗的に引き出します。

特に、運動と認知課題を同時に行うデュアルタスクと呼ばれる方法が有効です。例えば、ウォーキングをしながらしりとりをしたり、ステップを踏みながら簡単な計算を行うなど、高齢者でも無理なく楽しめるエクササイズがおすすめです。

このようなアプローチは、脳と体を同時に鍛えるため、認知機能の維持・向上に加え、転倒予防や体力向上といった効果も期待できます。日常生活に取り入れやすい形で継続することが重要です。

高齢者向けの認知症予防脳トレプログラム

高齢者向けの認知症予防脳トレプログラムで行う運動は、実にさまざまです。

楽しく、そして効果的に脳を活性化させるために、どのような運動が取り入れられているのか、いくつかご紹介しましょう。

◆ 有酸素運動

ウォーキング

軽いウォーキングは、脳への血流を促し、認知機能の維持に役立ちます。景色を楽しみながら、無理のないペースで歩くことがおすすめです。

エアロビクス

音楽に合わせて体を動かすエアロビクスは、心肺機能を高める事はもちろんのこと、リズム感や運動機能の維持に効果的です。楽しく体を動かすことで、ストレス解消にもつながります。

◆ 筋力トレーニング

スクワット

下半身の筋力強化は、転倒予防に役立ちます。椅子に座ったり立ったりする動作も、スクワットの代わりになります。

◆ バランス運動

片足立ち

バランス感覚を養うことで、転倒リスクを減らすことができます。最初は、壁や椅子につかまりながら行い、徐々に時間を延ばしていくとよいでしょう。

ヨガ

ヨガのポーズは、バランス感覚だけでなく、柔軟性や集中力も高めます。深い呼吸と共に行うことで、心を落ち着ける効果も期待できます。

これらの運動は、できればフィットネスジムなどの場所で行うことで仲間ができたり人との交流も増やす機会となります。このようなつながりは認知症予防に非常に重要です。

高齢者が認知症予防のために日常生活でできる簡単な脳トレ習慣とは?

日常生活の中に、手軽に取り入れられる脳トレはたくさんあります。特別な道具や時間を必要とせず、習慣化することで認知機能の維持・向上につながります。いくつか例を挙げ、その効果を解説します。

◆ 計算

  • 買い物の合計金額を暗算する、お釣りを計算する
  • レシピの分量を倍にしたり半分にしたりする
  • 公共料金の請求書を確認して計算する

これらの計算は日常生活の中で自然と行うことができ、計算力・注意力の維持に役立ちます。

◆ 言語

  • 新聞や本を読み、内容を要約する
  • 家族や友人と会話し、積極的に自分の意見を伝える
  • 歌詞を覚える、しりとりをする

言語を使う脳トレは、語彙力、表現力、記憶力、コミュニケーション能力の維持・向上につながります。

◆ 記憶

  • 今日食べたものを思い出す
  • 買い物リストを覚える
  • 予定を覚える
  • 人の名前を覚える
  • 記憶系の脳トレは、記憶力、注意力の維持・向上に役立ちます。

    ◆ その他

    • 料理:複数の作業を同時に行うことで、段取り力や判断力を鍛えられる
    • 掃除:掃除の手順を考えたり、整理整頓したりすることで、計画力や空間認識能力を鍛えられる
    • 園芸:植物の世話をすることで、観察力や責任感を養うことができる
    • 手芸:細かい作業を行うことで、手先の器用さや集中力を高めることができる

    これらの脳トレは無理なく日常生活に取り入れられるため、継続しやすいというメリットがあります。楽しんで取り組むことが重要です。

    脳トレの効果を最大化するための生活習慣

    高齢者がリラックスして万歳する様子

    質の良い睡眠と脳トレの関係

    質の良い睡眠は、脳トレの効果を最大限に引き出すための重要な要素です。睡眠中に脳は学習した内容を整理し、記憶を定着させる働きをします。そのため、十分な睡眠をとることで、脳トレの成果を効率的に定着させることができます。

    以下に、質の良い睡眠と脳トレの関係について詳しく見ていきましょう。

    記憶の定着

    睡眠中、特にレム睡眠の際に、脳は日中に学習した情報を整理し、長期記憶として定着させます。脳トレで学んだ新しい技能や知識も、この過程を経て効果的に身につきます。

    脳の疲労回復

    十分な睡眠は、脳の疲労を回復させ、翌日の脳トレに向けて準備を整えます。睡眠不足が続くと、集中力や判断力が低下し、脳トレの効果が減少してしまいます。

    ストレス軽減

    質の良い睡眠は、ストレスホルモンの分泌を抑制します。ストレスが軽減されることで、より落ち着いた状態で脳トレに取り組むことができます。

    創造性の向上

    十分な睡眠は、創造性を高める効果があります。これにより、脳トレ中に新しいアイデアや解決策を生み出しやすくなります。

    質の良い睡眠を得るためのポイント

    • 就寝時間と起床時間を一定に保つ
    • 寝室の環境を整える(適度な温度、暗さ、静けさ)
    • 就寝前のスマートフォンやパソコンの使用を控える
    • 軽い運動や入浴で体をリラックスさせる

    ◆ 栄養バランスと認知機能

    認知機能を維持・向上させるためには、適切な栄養摂取が欠かせません。バランスの取れた食事は、脳の健康を支える重要な要素です。特に以下の栄養素が、認知機能に良い影響を与えるとされています。

    • オメガ3脂肪酸:青魚(サバ、イワシなど)に豊富に含まれる栄養素です。
    • ビタミンE:ナッツ類や緑黄色野菜に多く含まれる栄養素です。。
    • ビタミンB群:豆類や肉類に含まれる栄養素です。
    • 葉酸:ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜に多い栄養素です。

    また、食事の際には以下の点を心がけましょう。

    • 腹八分目を心がける
    • よく噛んで食べる(噛む事で脳への血流量もアップする)
    • 食事の時間を規則的に保つ

    さらに、水分摂取も重要です。脱水状態は認知機能に悪影響を及ぼす可能性があるため、1日1.2~1.5リットル程度の水分摂取を目安にしましょう。

    バランスの取れた食事を心がけ、適度な運動と組み合わせることで、認知機能の維持・向上につながります。日々の食生活を見直し、脳に優しい食事を心がけていきましょう。

    高齢者の認知症予防を目的とした脳トレを習慣化する注意点

    認知症予防のための脳トレは、日々の生活に楽しく取り入れ、無理なく続けることが何よりも大切です。習慣化するための3つの注意点をご紹介します。

    ◆ 無理は禁物、ご自身のペースで

    大切なのは「義務」ではなく「楽しみ」と捉えること。体調や気分が乗らない日はお休みするなど、頑張りすぎないことが長続きのコツです。毎日少しずつ、短時間から始めてみましょう。

    ◆ 効果はゆっくり、気長に構えて

    脳トレの効果は、すぐに目に見えるものではありません。「続けていること」自体が脳へのよい刺激になっていると信じ、焦らず気長に取り組みましょう。結果を急がず、プロセスを楽しむことが大切です。

    ◆ 主役はご本人!「楽しい」が一番の栄養

    ご本人が心から「楽しい!」「やってみたい!」と感じられる活動こそが、脳の活性化につながるトレーニングを習慣化させやすいです。計算ドリルやパズルといった定番の脳トレにこだわらず、以下も積極的に取り入れてみてください。

    • 歌を歌う
    • 絵を描く
    • 手芸
    • 簡単な調理
    • リズムに合わせて体を動かす

    など

    難しすぎる課題は避け「できた!」という達成感を味わえるレベル設定にすることで、意欲を引き出し、継続につなげやすくなります。

    ご家族はご本人の興味やペースを尊重し、温かく見守り、ときには一緒に楽しむ姿勢が大切です。そこで、日々の楽しみの中で、自然に脳を刺激できるような活動を取り入れてみませんか? ご家族と一緒にできる認知症予防プログラムもおすすめです。

    メディカルフィットネス にこっとで運動しながら楽しく脳トレ!

    メディカルフィットネス にこっとでは、国立長寿医療研究センターが開発した、楽しく運動&脳トレができる「コグニサイズ」を取り入れた独自の認知症予防プログラムを実施しています。コグニサイズとは、ステップを踏みながらしりとりをするといったような2つの課題(運動課題と認知課題)を同時に行うエクササイズです。一般的に紹介されているコグニサイズは種類ややり方も限定的ですが、メディカルフィットネス にこっとではこのコグニサイズを取り入れた独自の脳活性化エクササイズを考案し、開所当初から6年間実施しています。普段の生活では味わえないワクワク感を味わいながら取り組める、おすすめクラスです。

    ご質問や無料体験・見学などご相談は045-717-5595までお気軽にお問い合わせください。

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