【パーキンソン病・体操教室】初心者が抱えるよくある悩み&解決法・生活習慣のヒント

パーキンソン病の方にとって、体操は症状の改善や進行の抑制に重要な役割を果たします。

体操を始める際は、自分の体調や症状に合わせて無理のない範囲で行うことが重要です。また、主治医や理学療法士に相談し、体操教室に通って適切な運動プログラムに沿って指導を受けることをおすすめします。

こちらでは、パーキンソン病初期の方向けの体操教室(マンツーマン指導)を行っているメディカルフィットネス にこっとが、よくある悩みとその解決法や、体操の効果を最大化するための生活習慣のヒントをお伝えします。

【体操教室初心者向け】パーキンソン病と体操

パーキンソン病の症状に対して、体操は以下のような効果が期待できます。

  • 柔軟性の維持・向上
  • 筋力および筋肉量の維持・向上
  • バランス能力の改善
  • 動作の円滑化

パーキンソン病の方が取り組むべき体操の基本をご紹介します。これらの体操は、症状の進行を遅らせ、日常生活の質を向上させるのに役立ちます。

◆ 上肢(じょうし)の体操

上半身の柔軟性を保つための運動例

  • 肩回し:前から後ろに向けて大きく回す
  • 腕の振り:両腕を前後に大きく振る
  • 手首のストレッチ:手首を回す、曲げ伸ばしする

◆ 下肢(かし)の体操

下半身の筋力維持と柔軟性向上のための運動例

  • 膝の曲げ伸ばし:椅子に座って行う
  • 足首の運動:つま先立ちと踵上げを交互に行う
  • もも上げ:立位または椅子に座って片脚ずつ上げ下げする

◆ 立ち上がりの練習

日常生活で重要な動作である立ち上がりを練習します。

椅子からの立ち上がり:背すじを伸ばし、かかとを自分側へ引き寄せる。股関節から折りたたむ様に上体を前に倒しながら脚に力を入れて立ち上がる。

◆ 発声練習

声量や発音を改善するための運動例

  • 大きな声で数を数える
  • 音域が広い歌を歌う(高音も低音も使う曲)
  • パタカラなどの口腔体操
  • 早口言葉をはっきりと言う

これらの体操は、無理をせず、体調に合わせて実施しましょう。主治医や理学療法士に相談し、ご自身に適した運動プログラムを実践することが大切です。

【パーキンソン病の方】体操に取り組む際のよくある悩み&解決法

高齢女性が悩んでいる様子

◆ 体操を続けるモチベーションが保てない

体操を継続するモチベーションを維持することは、多くの初心者にとって課題となります。しかし、継続は力なりです。モチベーションを保つためのヒントを、いくつかご紹介します。

小さな目標を設定する

体操の効果はすぐには現れません。そのため、長期的な目標だけでなく、短期的な小さな目標を設定することが大切です。

例:1週間毎日5分間体操を行う、1ヶ月で体操の種類を3つ増やす、3ヶ月で歩行距離を100m伸ばす

このような具体的で達成可能な目標を立てることで、日々の成果を実感しやすくなります。

記録をつける

体操の内容や時間、体調の変化などを日記やアプリで記録しましょう。振り返ることで自分の成長を感じられ、継続の励みになります。

仲間と一緒に取り組む

同じ悩みを持つ仲間と一緒に体操に取り組むことで、孤独感が軽減され、お互いに刺激し合えます。パーキンソン病の当事者会や体操教室に参加するのも良いでしょう。

楽しみを見つける

体操を義務ではなく楽しみとして捉えましょう。音楽に合わせて体を動かしたり、自然の中でストレッチをしたりと、自分なりの楽しみ方を見つけることが大切です。

成果を家族や医療従事者と共有する

体操の成果を家族や担当医、理学療法士と共有しましょう。周囲からの励ましや専門家からのアドバイスが、さらなるモチベーションアップにつながります。

◆ 症状の日内変動で体操のタイミングが難しい

パーキンソン病の症状は、一日の中でも変動することがあります。これを「日内変動」と呼び、体操のタイミングを難しくさせる要因となっています。

日内変動の主な特徴

  • 朝方は症状が軽い傾向にある
  • 午後になると症状が悪化しやすくなる
  • 薬の効果が切れる頃に症状が強くなることがある

このような変動があるため、体操を行うベストなタイミングを見つけるのに苦労される方も多いでしょう。しかし、以下のポイントを参考にすることで、より効果的に体操に取り組むことができます。

体操のタイミングを決める際のポイント

  • 朝の症状が軽い時間帯を活用する
  • 薬の効果が高まる服用後30分~1時間程度を狙う
  • 症状が悪化する前に予防的に行う

また、日内変動に合わせて体操の内容を調整することも大切です。

◆ 転倒が心配で体操に踏み切れない

パーキンソン病の症状のひとつに、バランス感覚の低下があります。そのため、体操を始めるにあたって転倒への不安を感じる方は少なくありません。しかし、適切な対策を講じることで、安全に体操を行うことができます。

転倒予防のポイント1:環境の整備

  • 床に滑り止めマットを敷く
  • 家具の角にクッションを取り付ける
  • 十分な照明を確保する
  • 床に置いているものは撤去し、収納の仕方を見直す(スペースの確保)

転倒予防のポイント2:適切な服装と履物

  • 動きやすい服装を選ぶ
  • 滑りにくい靴下や室内履きを使用する

転倒予防のポイント3:補助具の活用

  • 必要に応じて杖や歩行器を使用する
  • 手すりを設置し、支えにする

転倒予防のポイント4:段階的なアプローチ

  • 座位での運動から始める
  • 徐々に立位の運動に移行する
  • 無理をせず、自分のペースで進める

◆ 外出が困難で教室に思うように通えない

以下のような状況では、外出の困難さがより顕著になります。

  • 天候が悪い日(雨や雪、強風など)
  • 公共交通機関を利用しなければならない場合(人出が多い場所などはすくみ足も出現しやすくなる)
  • 付き添いの人が確保できない時

また、リハビリ施設までの距離や交通の便によっては、往復の移動時間だけでも大きな負担となることがあります。そこで、オンラインや動画を活用したリハビリが注目です。

パーキンソン病の進行を遅らせるためには、できるだけ早い段階から適切なリハビリを始めることが大切です。体操教室に定期的に通うだけではなく、DVDやオンラインを活用した自宅でもできる体操や運動を取り入れることで、初期段階からより効果的かつ継続的なリハビリが可能になります。

体操の効果を最大化するための生活習慣のヒント

健康的な生活習慣を表す画像

◆ 規則正しい生活リズムの重要性

パーキンソン病の症状は日内変動が大きいため、規則正しい生活リズムを保つことが大切です。以下の点に注意しましょう。

  • 毎日同じ時間に起床・就寝する
  • 食事の時間を一定に保つ
  • 体操の時間を決めて習慣化する
  • 決められたお薬の量を決められたタイミングで服用する

◆ 栄養バランスの取れた食事の意義

適切な栄養摂取は、筋力の維持や体力の向上に欠かせません。以下の栄養素に特に注目しましょう。

  • たんぱく質:筋肉の維持・修復(食品例:肉、魚、卵、大豆製品)
  • ビタミンB群:神経機能の維持(食品例:緑黄色野菜、豆類、レバー)
  • ビタミンD:骨や筋肉の健康維持(食品例:きのこ類、魚介類、卵黄)

◆ 十分な睡眠と休息の確保

質の良い睡眠は、体の回復や脳の健康維持に重要です。以下の点に気をつけましょう。

  • 就寝前のリラックスタイムを設ける
  • 寝室の環境を整える(温度、湿度、明るさなど)
  • 昼寝は15〜30分程度に抑える

これらの生活習慣を整えることで、体操の効果がより高まり、パーキンソン病の症状管理に役立ちます。無理のない範囲で少しずつ取り入れていきましょう。

パーキンソン病初期の方向けの体操教室に通いませんか?

メディカルフィットネス にこっとでは、パーキンソン病の方を対象とした少人数制クラスや、初期の方を対象とした理学療法士とのマンツーマン集中運動プログラムを行っています。

少人数制クラスでは、大きな動き、バランスや姿勢の保持、立ち上がりや方向転換など、パーキンソン病患者さんに特有の苦手な動きをトレーニングし、動きやすい体、病気に負けない体を一緒に作っていきます。発声練習や音楽に合わせた体操、プチ脳トレなども行い、「頑張る」よりも「楽しい!」をモットーにしたクラスです。一方マンツーマンの集中運動プグラムでは、理学療法士による徒手マッサージや全身運動、そして他の施設にはない口腔体操も個別に行います。

これまでの経緯・現在の身体状況・お悩み・目標などをヒアリングしてからプログラム計画をご提案します。参加方法など、まずはお気軽にご相談ください。

パーキンソン向け体操教室はメディカルフィットネス にこっと

施設名 メディカルフィットネス にこっと
住所 〒222-0001 神奈川県横浜市港北区樽町4-4-41
TEL 045-717-5595
URL http://mf-nicotto.com/
営業日 月~金
営業時間 9時00分~12時00分、13時00分~17時30分
休館日 土日祝日